【総合/専門商社】業界別の年収ランキング！平均年収が高い理由も解説

商社にも様々な企業があるけど「年収が高い企業はどこ？」、「商社の年収って実際どれくらい？」と気になっている就活生も多いのではないでしょうか。

数ある業界の中でも平均年収が高いと言われている商社は、給与面を重視する就活生にとって魅力的な業界ですよね。

だからこそ年収が高い商社に入社し、充実したプライベートを送りたい人も多くいると思います。

そこで本記事では、商社の年収別ランキングと併せて商社就活のコツを解説していきます！商社就職を目指す人必見の内容ですので、ぜひ読み進めてくださいね。

総合商社の平均年収ランキング

商社は、幅広く製品を取り扱う総合商社と特定の製品を扱う専門商社の2種類に分けられます。

まずは、日本を代表する総合商社の平均年収ランキングを解説していきます！

• 【1位】三菱商事（2,090万円）
• 【2位】三井物産（1,899万円）
• 【3位】住友商事（1,758万円）
• 【4位】伊藤忠商事（1,753万円）
• 【5位】丸紅（1,654万円）
• 【6位】豊田通商（1,262万円）
• 【7位】双日（1,247万円）

それぞれ解説します！

【1位】三菱商事（2,090万円）

三菱商事の平均年収は2,090万円であり、総合商社の中で最も高い平均年収を誇っています。

三菱商事は、世界約90ヵ国に広がる拠点と約1,800もの連結事業会社と協働しながらビジネスを展開している大規模な総合商社です。国内外の広がるネットワークを介し、生活品や産業製品の売買、インフラ事業、金融事業など多角的にビジネスを展開しています。

数ある事業の中でも、天然ガスや資源事業領域の売上比率が高い点が三菱商事の特徴。特に金属資源事業は、世界最高水準のコスト競争力と品質を兼ね備えた事業として成長し、三菱商事のビジネスを支える基軸事業となっています

【2位】三井物産（1,899万円）

三井物産の平均年収は1,899万円であり、総合商社の中で「2位」に付ける平均年収を誇っています。

三井物産は、国内外合わせて世界65ヵ国に拠点を持つ大手総合商社です。エネルギー、機械・インフラ、化学品、生活産業、次世代推進、金属、鉄鋼製品からなる7分野の事業で世界展開しています。

伊藤忠商事、三菱商事、丸紅、住友商事とともに日本を代表する5大商社として、皆さんも一度は耳にしたことがありますよね。ここ最近では、グローバルおよびサスティナビリティの観点で社会課題を解決する企業を目指し、エネルギーと健康領域を軸に事業強化を図っています。

【3位】住友商事（1,758万円）

住友商事の平均年収は1,758万円であり、総合商社の中で「3位」に付ける平均年収を誇っています。

住友商事は、400年にもわたる歴史を持ち名実ともに日本を代表する老舗総合商社です。総合商社の中では珍しく、不動産開発から事業をスタートさせています。

不動産開発から始まり、都市総合開発や鉄鋼、メディア・デジタルと事業を多角展開し、景気の影響を受けにくい安定した事業形態を確立してきました。最近では、これまで培ってきた技術力と情報力をDX事業に注力し「デジタルソリューション総合商社」を目指して新たな一歩を踏み出しています。

【4位】伊藤忠商事（1,753万円）

伊藤忠商事の平均年収は1,753万円であり、総合商社の中で「4位」に付ける平均年収を誇っています。

伊藤忠商事は、1858年に初代・伊藤忠兵衛が創業した世界62ヵ国に約100の拠点を持つ大手総合商社です。機械や繊維、食料、住生活など、多岐にわたる事業投資を積極的に行っています。

伊藤忠商事では、「繊維」「機械」「金属」「エネルギー・化学品」「食料」「住生活」「情報・金融」「第8」の各ポジションが経営責任を負うディビジョンカンパニー制という仕組みを取っています。本社が全社戦略の策定・総合管理を行い各ポジションと連携することで、効率性および収益性の高い経営体制を構築しています。

【5位】丸紅　（1,654万円）

丸紅の平均年収は1,654万円であり、総合商社の中で「5位」に付ける平均年収を誇っています。

丸紅は、生活産業、素材産業、食料・アグリー、エナジー・インフラソリューション、社会産業・金融、CDIO（次世代事業開発本部）の6つの事業を持つ大手総合商社。特に、穀物事業と電力事業は業界トップクラスの取扱量を誇り、丸紅独自の強みとなっています。

総合商社では珍しい非財閥系の企業でもあることから、ボトムアップやチャレンジ精神が根付いている社風も特徴のひとつ。若手のうちから海外事業に携わらせたり、各業界のトップ企業へ社員を出向させたりと、スキル開発に重点を置いた人材育成に力を入れています。

【6位】豊田通商　（1,262万円）

豊田通商の平均年収は1,262万円であり、総合商社の中で「6位」に付ける平均年収を誇っています。

豊田通商 は、約130ヵ国におよぶグローバルネットワークおよび約1,000のグループ会社との連携を強みに事業を展開する総合商社です。事業範囲は、金属やロジスティクス、自動車、機械・エネルギーなど多岐にわたります。

昨今では、社員のキャリア育成に力を入れており、チャレンジローテーション制度やチャレンジポスト制度など、社員のキャリアビジョンをサポートすべく企業として取り組んでいます。一人ひとりの能力を最大限に引き出す姿勢が、総合商社としての確固たるポジションを確立した背景に繋がっています。

【7位】双日　（平均年収：1,247万円）

双日の平均年収は1,247万円であり、総合商社の中で「7位」に付ける平均年収を誇っています。

双日は、日商岩井株式会社とニチメン株式会社の合併により設立された総合商社です。航空・社会インフラ本部、エネルギー・ヘルスケア本部、生活案業・アグリビジネス本部をはじめとした全7事業を持ち、多角的に事業を展開しています。

なかでも航空産業の成長が著しく、国内民間航空機代理店として業界トップの地位を確立してる点が特徴です。2019年に新規事業創出プロジェクトとして「Hassojitzプロジェクト」がはじまり、社員の挑戦意欲を実現化に繋げる自社独自の取り組みにも積極的に取り組んでいます。

専門商社の平均年収ランキング

専門商社は、特定の分野に特化しており、その分野での専門的なノウハウや独自の強みを持っていることが特徴です。それにより、就活生は特定の業界や商品に深くかかわることができ、専門性を高めることが可能です。

ここからは、専門商社の平均年収ランキングを分野別に紹介していきます。

1. 専門商社【鉄鋼】
2. 専門商社【機械】
3. 専門商社【電子・半導体】
4. 専門商社【化学】
5. 専門商社【食品】
6. 専門商社【医薬品】
7. 専門商社【日用品・化粧品】
8. 専門商社【繊維】
9. 専門商社【燃料・エネルギー】

それぞれ解説していきます。

①専門商社【鉄鋼】

鉄鋼・専門商社の平均年収第1位は、JFE商事（1,368万円）です。

JFE商事は、鉄鋼製品を中心に、鉄鋼原料、非鉄金属、燃料、化学品、エレクトロニクスなど幅広く事業を展開しています。専門商社でありながら、大手総合商社に並ぶほどの高い年収水準で驚きですね！

鉄鋼系の専門商社は全体を通して年収が高く、2位以降の企業も1,000万円台を越える高水準です。鉄鋼は産業活動に欠かせないことから安定性はあるものの、脱炭素などの環境対策へキャッチアップできるかが企業発展の分かれ目です。鉄鋼系商社をリサーチする際は、今後の事業展望にも注目しておくと良いでしょう。

②専門商社【機械】

機械・専門商社の平均年収第1位は、第一実業（1,012万円）です。

第一実業では、産業用プラントで用いる各種設備やバイオマスなどの発電設備、空港施設用設備など、様々な産業機械を販売しています。アメリカ・ヨーロッパ・中国・東南アジアを中心に17ヵ国35拠点を有し、グローバルに事業を展開しています。

機械系の専門商社は、物価高騰の影響を大きく受けたものの、販売価格にコスト上昇分を価格転嫁できたことで好調に業績を伸ばしています。そのため、年収額が大きく下がることもなく高水準の年収を維持できています。

③専門商社【電子・半導体】

電子半導体・専門商社の平均年収第1位は、東京エレクトロンデバイス（940万円）でした。

東京エレクトロンデバイスは、世界トップクラスの半導体製造装置メーカー「東京エレクトロン」を親会社に持つ技術商社です。半導体製品を主力とした産業用エレクトロ二クス製品の販売や技術サポートを軸に、商社でありながらも自社製品の開発や量産なども行っています。

電子・半導体系の専門商社は高度な専門知識が求められるため、優秀な人材の確保や人材流出防止を目的に年収をあらかじめ高く設定している傾向が強いです。

④専門商社【化学】

化学・専門商社の平均年収第1位は、長瀬産業（1,234万円）です。

長瀬産業は、化学品や合成樹脂、電子材料から健康食品の輸出入にいたるまで全11事業を展開する化学系専門商社です。1832年に創業した老舗専門商社でもあり、長い歴史で培った情報力や海外のネットワークを活かして事業を着実に成長させてきました。

日本の製造業に不可欠な「素材」を供給する化学系の専門商社は、市場も待遇も安定しています。化学の専門知識が問われるものの、安定志向かつ年収を重視したい人にとっては魅力的な業界ですよ。

⑤専門商社【食品】

食品・専門商社の平均年収第1位は、国分グループ（823万円）です。

醤油の製造・卸業からスタートした国分グループですが、徐々に専門商社へ事業をシフトさせてきました。三菱商事系の三菱食品や伊藤忠商事系の日本アクセスに次ぐ売上規模を誇り、酒類・食品の商社としての地位を確立しています。

食品系専門商社の需要は、健康志向の高まりにより今後も伸びていくと予想されます。人々の生活に貢献できるやりがいと報酬のバランスの良さから毎年人気を集める業界です。

⑥専門商社【医薬品】

医薬品・専門商社の平均年収第1位は、アルフレッサ（672万円）です。

アルフレッサは、医薬品や検査試薬品、医療機器、栄養食品といった医療周りの製品を扱う専門商社です。取り扱い製品は45,000アイテム、約300社の製薬メーカーと繋がりを活かして安全な医療体制に大きく貢献しています。

医薬品系商社の平均年収額は、正社員の平均年収523万円よりも100万円近く上回っています。（国税庁：令和4年分 民間給与実態統計調査）化学や食品商社より劣るものの、年収が高い就職先として申し分ない金額です。年収を重視したい人にとって、選択肢になりうる業界のひとつです。

⑦専門商社【日用品・化粧品】

日用品・化粧品専門商社の平均年収第1位は、CBグループマネジメント（682万円）です。

CBグループマネジメントは、取引メーカー数600社以上、約5万アイテムを取り扱う日用品・化粧品の大手専門商社。世界トップの消費財メーカーP＆G社と日本で初めて輸入代理店契約を結んだ実績もあり、海外のライフスタイルを商品とともに日本市場に供給してきました。

日用品・化粧品系専門商社は、コロナ禍も落ち着いてきたことで、活況市場に転じています。今後、市場の復調に合わせて年収への還元も期待できる業界です。

⑧専門商社【繊維】

繊維・専門商社の平均年収第1位は、蝶理（927万円）です。

蝶理は、繊維・化学品・機械を主軸にした複合型専門商社。中国およびASEANを中心に30ヵ所の拠点を持ち、輸出入や三国間取引を展開するグローバル企業です。

繊維系専門商社は、アジア圏で安価な繊維素材が大量生産されていることが影響し、国内市場の規模が縮小傾向にあります。海外市場の開拓が急務なことから、高度なビジネススキルや語学力を持つ人材を獲得すべく比較的年収が高めに設定されています。

⑨専門商社【燃料・エネルギー】

燃料・エネルギー専門商社の平均年収第1位は、伊藤忠エネクス（978万円）です。

石油製品、電力、ガス製品の卸売事業や熱供給事業などを展開し、燃料・エネルギー商社の中で国内トップの売上規模を誇ります。燃料・エネルギー系専門商社は 電力やガスの自由化、脱炭素に向けた技術開発など、従来の方法を覆す革新的な発想が求められる転換期にあります。

変革への挑戦姿勢や業務貢献度が評価されやすく、年収に反映されやすいと捉えておくと良いでしょう。

商社の平均年収が高い理由

総合商社と専門商社で差はあるものの、他業界と比較すると圧倒的に年収水準が高い商社。なぜ商社の年収は高水準なのでしょうか？

ここからは、商社の平均年収が高い3つの理由を解説していきます。

• 在庫を持たないため
• 営業は海外赴任があるため
• 仕事の難易度が高いため

それぞれ解説します。

①在庫を持たないため

商社の年収が高い理由は、在庫を持たないビジネススタイルだからです。

商社のビジネスは、ヒト・モノ・カネ・ノウハウを事業へ投資し、投資先の企業から配当金や売却益を得て利益を生み出す「事業投資型」のスタイルです。

メーカーのように自社製品を持つ必要がないので、設備管理費や品質管理費といったコストが掛からず、その分を給料やボーナスに充てることができます。他業界と比較して事業運営に必要なコストが少ないビジネススタイルである点が、高い平均年収となっている理由のひとつです。

②営業は海外赴任があるため

海外赴任手当による年収アップも年収が高い理由です。

海外拠点を持つ企業も多い商社業界の営業職は、輸出入の交渉や海外事業部との共同開発を目的に海外へ赴任することがあります。治安の悪い国や新興国へ赴任する場合も少なからずあるため、住宅手当以外にもハードシップ手当のような特別手当が付与されるケースもあります。

また、海外での仕事には語学力が求められるため、語学スクール費が支給されるケースも。海外赴任手当は数万円から数十万円にも及ぶため、海外赴任をしている商社の営業職は必然と年収が高くなる傾向にあります。

③仕事の難易度が高いため

仕事の難易度が高い点も年収が高い理由です。

商社では、新規事業の立ち上げや投資計画立案のほか、新興国に出向いて現地政府と交渉するような難易度が高い仕事を指示されることがあります。

難易度が高い仕事を実行できる人材は多くなく、能力が高い人材を自社へ引き込む、すでに活躍している優秀な社員の流出を防ぐため、年収を高く設定する傾向にあります。仕事の難易度に見合う給料を支払う業界全体の風土が、平均年収を押し上げる背景に繋がっています。

商社の就職に必要なこと

平均年収が高い商社は、就活生から人気が高くライバルも多い業界です。そのため、商社から内定を勝ち取るためには、商社就活のコツを押さえることが重要です！

そこでここから、商社就職を目指す人が取り組むべき3つのポイントを解説していきます。

• 商社について知る
• 短期インターンに参加する
• 長期インターンに参加する

それぞれ解説します。

①商社について知る

商社就活では、年収だけでなく企業ビジョンや仕事内容にも興味を持てるかが重要です。

年収のみならず、商社自体を知ることも大切にしましょう。まずは、総合商社と専門商社の違いを知ることから始めてみてください。

総合商社に興味を持ったのであれば、各企業の沿革を追いかけてみましょう！歴史ある企業が多いので、各企業が大切にしてきた価値観を比較すると理解が一層深まりますよ。

専門商社であれば、上位3社の事業戦略を比較してみましょう。事業戦略の違いにも踏み込むことで、年収以外で興味が持てるポイントを見つけられるはずです。

自分の価値観にマッチする商社へ就職するためにも、業界研究は丁寧に取り組んでくださいね。

②短期インターンに参加する

商社の短期インターンには積極的に参加しましょう。

短期インターンとは、1～3日程度で実施される就活生向けのキャリアイベント。会社説明のほか就活関連のワークや仕事体験などのプログラムが用意されており、業界・企業理解を深めたい就活生は参加必須のイベントです。

そして、拘束日数が少ない短期インターンは、何社も参加できる点が最大のメリット！複数の短期インターンに参加することで、戦略や社風の違いを実体験を持って理解できますよ。

短期インターン参加者を対象に早期選考を実施する商社もあるので、いち早く内定を掴むためにも積極的に参加していきましょう！

③長期インターンに参加する

商社内定を狙うなら、長期インターンの経験も重要です。

【長期インターンとは】、数か月から数年にわたって一企業の業務に従事するキャリアプログラム。長期インターンに参加することで、自身のスキルと仕事内容の適性が図れるほか、社内の雰囲気や働く環境もリアルで体感できます。短期インターンよりも長く社員や仕事と関わるため、一歩踏み込んで企業理解を深められますよ。

総合商社では長期インターンの募集はないため、営業やマーケティング経験を積める他社の長期インターンに参加し、社会人経験やビジネススキルをアピールしましょう。長期インターンの経験は自己PRやガクチカにもなるため、就活でも有利になりますよ。

まとめ

最後に本記事をまとめます。

• 他業界より平均年収が高い商社だが、総合商社か専門商社で年収相場が異なる。
• 難易度が高い仕事を担える人材を確保するため、商社の年収は高く設定される傾向にある。
• 商社就職を目指す第一歩は業界・企業研究から！商社が市場で果たす役割もしっかり理解しよう。

年収の高さを企業選びの軸にしている就活生は多いと思います。しかし、自分らしく働くためには、企業ビジョンや仕事の内容・やりがいなど、年収以外の視点でも企業を見極めることが大切です。

生活をするうえで年収はもちろん大事ですが、達成感や成長実感を味わえる経験は、お金に代えがたい面もあるものです！企業選びの際は、様々な視点を持って企業を見ていくようにしてくださいね。

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