長期インターンの給料事情！平均給与や時給相場を解説

長期インターンに興味はあるけれど、ぶっちゃけ給料はあるの..？ 、最低賃金や時給相場は..? と疑問に思う方も多いでしょう。

結論から言うと、短期インターンには給料はありませんが、中長期間勤務する長期インターンには給料が発生します。給与額や時給は企業によってさまざまですが、高時給・高報酬なことがほとんどです。

本記事では、長期インターンの給料事情に加えて、給料相場や平均時給、給料トラブルに巻き込まれない方法について、詳しく解説していきます。

この記事の監修者
	柴田 将希 株式会社Renew 代表取締役。長期インターン求人サイト「Renew」運営。自身の長期インターン経験や、就職活動・転職活動、起業経験をもとに、学生のキャリア支援を行なっています。

長期インターンの給料事情

まずは、長期インターンの概要と、給料事情、無給インターンとの違いについてまとめました。

• 長期インターンの概要
• 長期インターンの有給と無給の違い
• 有給インターンと無給インターンの違い

それぞれ解説します。

長期インターンの概要

【長期インターンとは】、おもに開催期間1ヶ月以上のインターンのことで、社員同様の実務を通して、実践的なビジネススキルを身につけます。

長期インターンは、アルバイト同様、勤務時間に応じて給料が発生します。企業は、新卒採用や即戦力を目的に、長期インターン生を採用しており、新卒採用の早期囲い込みや、人材確保を目的に募集をしています。

長期インターンは、企業の業務プロセスに深く関われるほか、実践的なスキルや経験を積むことができるため、将来のキャリア形成においても貴重な経験となり、就職活動でも有利に働きます。

長期インターンに給料が出る理由

長期インターンは「実務」を任されるため、労働者に該当し、給料が発生します。

長期インターンは、会社見学やワークショップとは違い、企業のプロジェクトや業務に直接関与し、売上や利益に直結する仕事を任されることが多いでしょう。企業の社員と一緒に働き、実際の業務を担当することになるため、労働に対して給料が支払われます。

企業にとっても、優秀な学生を早期に囲い込むことが出来たり、中途社員や派遣社員よりも人件費を抑えることが出来るため、長期インターン採用のメリットは大きくなります。長期インターンに対して給料を支払わない企業は、労働基準法違反に当たる可能性があるので注意しましょう。

有給インターンと無給インターンの違い

無給インターンは、学生が企業のことを知るための時間です。

1日で完結する「1day仕事体験」や、数日〜2週間ほどの期間で行われる「短期インターン」は無給のケースが多くなります。プログラム内容は、企業説明会やワークショップ、座談会といったものが多く、短期間で複数社のプログラムに参加できるのがメリットです。無給インターンの場合は、職業体験の域を越えることはないため、実践的なスキルや、実務経験を積めることはありません。

有給インターンは、企業と学生の間で契約を交わし、アルバイトのような関係性になるため、企業の指揮命令によって業務を行います。社員の仕事の手伝いや、補助を行うような『労働』が発生する場合は有給のケースが多くなります。『有給インターンと無給インターンの違い』で詳しく解説していますので、気になる方はあわせて読んでみてください。

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長期インターンの給料相場（平均時給）

長期インターンの給料相場や、平均時給について、Renew掲載企業の情報や、知恵袋、SNS募集の情報から調査を行いました。

• 長期インターンの給料相場
• 都道府県別の給料相場
• 職種別の給料相場

それぞれ解説します。

長期インターンの給料相場

長期インターンの平均月収は、月5万円〜10万円程度です。

実際に「Renew」に掲載している企業の平均時給【1,227円】と、「Renew」に登録している学生の平均勤務時間【月60時間】を計算すると、【1,227円 × 60時間 = 73,620円】になります。

あくまでも平均月収の範囲となっており、成果報酬制の企業で働く学生の中には、月収20万円以上稼いでいる学生もいます。アルバイトと比べても、月収を大きく伸ばすことが出来ますし、成果を出せば出すほど評価される世界ではありますので、お金を稼ぎたい大学生にも良い経験の場となるでしょう。

また大学生の平均アルバイト月収が【6.1万円*】であることを考えても、長期インターンの平均月収は比較的高いとも言えるでしょう。（*参考：大学生のアルバイト調査（2023年）マイナビキャリアリサーチLa）

都道府県別の給料相場

※2024年5月実施「長期インターン給料調査」（株式会社Renew）

長期インターンの給料相場は、平均時給1,200円〜2,000円です。

都道府県別の給料相場は、下記の通りです。一般的に時給制で支払われることが多く、時給相場は企業や業界、地域によって異なります

東京都内の場合、平均時給は【1,239円】になっており、需要の高い業界や業種によっては、時給1,500円〜2,000円を超えることもあります。また上場企業や大手企業ほど、平均時給が高く設定されるケースが多く、中小企業やベンチャー、スタートアップ企業は平均時給が低い傾向もあります。

職種別の給料相場

※2024年5月実施「長期インターン給料調査」（株式会社Renew）

職種の給料相場は、下記の通りです。一般的には時給制を導入する企業が多いですが、一部成果報酬制（インセンティブ付与）を導入する企業もあります。

※本データは「Renew」に登録されている情報をもとに、独自の集計ロジックにより算出しています。本データを引用する際は、出典元（Renew）を必ず記載してください。

営業職に限り成果報酬制（インセンティブ制度）を導入する企業もあり、時給換算をすると高時給になる場合もあります。また専門職（エンジニア職やデザイナー職）の場合、時給1,500円を超える求人募集もあります。

実際の求人例（給料あり）

【東京都】株式会社Speee（時給1,500円）

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株式会社Speeeは、デジタルトランスフォーメーション（DX）を推進する上場企業で、レガシー産業DX事業、DXコンサルティング事業、金融DX事業など幅広い領域に事業を展開しています。

長期インターンは、土日勤務可能。業界最大級のマッチングプラットフォーム『ヌリカエ』のインサイドセールス職として、現場の社員と同じ業務で同じ目標を追っていきます。メンバー1人1人に介入するマネジメント体制が整っているので、未経験でも安心して業務に取り組めます。

【東京都】Acroforce株式会社（時給1,200円〜1,500円）

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Acroforce株式会社は、学生のゼロキャリア形成のサポートを行う実践型キャリアサロン「ZEROWORKS」を運営しています。大手企業からスタートアップまで、さまざまな企業（メインはBtoB）から仕事を受けており、営業の仕事に挑戦していきます。

楽天グループや、LINE株式会社、ソフトバンク、DMM.comなど、大手企業の取引先の商品やサービスを取り扱うため、BtoC/BtoB問わず、幅広い業界知識を得られます。

【東京都】株式会社LITALICO（時給1,200円〜1,500円）

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株式会社LITALICOは、「障害のない社会をつくる」というビジョンのもと、児童発達支援・放課後等デイサービス・教育/就労支援サービスを展開する大手上場企業です。

長期インターンシップは、子供向けプログラミング・ロボット教室のエンジニア講師（未経験OK）『LITALICOワンダー』と、障害児教育に関わる『LITALICOジュニア』の教室講師を募集しています。

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長期インターンを選ぶ際の給料の注意点

続いては、長期インターンを選ぶ時の給料の注意点をまとめました。

• ①無給の長期インターンには参加しない
• ②最低賃金を割っている求人には応募しない
• ③怪しい企業には応募しない

それぞれ解説します。

①無給の長期インターンには参加しないこと

長期インターンに対して給料を支払わない企業は、労働基準法違反に当たる可能性があるので注意しましょう。

給料の有無は、労働基準法上の『労働者』としてみなされるかどうかによって決まります。会社説明会やワークショップなどの短期インターンは無給になりますが、社員同様の実務を行う場合は、労働者にあたるため、給料が発生します。

お金よりも経験を優先したくなる気持ちも分かります。場合によっては、無給でも働きたいと思える企業もあるでしょう。とはいえ、労働力を無償提供することは、学生にとっても、企業にとっても、長期的に良いことはありません。

短期的な視点ではなく、長期的に会社の売上利益に貢献し、報酬として給料を貰う意識を持ちましょう。無給の長期インターンについては、こちらの記事（長期インターンの無給は違法？）も読んでみてください。

②最低賃金を割っている求人には応募しないこと

各都道府県には、法定最低賃金が定められています（厚生労働省）。最低賃金を割っている求人には応募しないようにしましょう。

最低賃金を下回る求人は、法的に問題がある可能性が高く、企業が労働者を適切に扱わない可能性があります。例えば、日給制を採用しており、やりがいを理由に勤務時間超過、時給換算すると最低賃金を下回る場合もあります。

最低賃金を守っていない企業は、労働条件やその他の福利厚生にも問題がある可能性もあります。また長期インターン全体の印象を悪くしてしまうため、どれだけ魅力的な仕事でも、応募しないようにしましょう。長期インターンの雇用形態について詳しく知りたい方は、こちらの記事（長期インターンの雇用形態）も読んでみてください

③怪しい企業には応募しないこと

給料に関する情報が不透明であったり、明らかに給料相場を下回る求人にも注意しましょう。

怪しい企業を見極めるためには、企業の評判や口コミ、SNSの情報を調べることが重要です。また大学の先輩や、キャリアセンター、家族に相談することも大切です。求人サイトから探す際は、各サイトの「求人掲載規定」を読んでみましょう。求人掲載規定が整っているサイトほど安全性が高いです。

また先輩や友達からの紹介、運営元が不明な求人紹介サービス、有料職業紹介事業者ではない企業からの斡旋にも注意が必要です。

怪しい企業は身近に潜んでいます。友達に紹介された企業だから大丈夫、友達もやっているから大丈夫と思っても、実は給料トラブルが隠れている場合もあります。少しでも違和感を感じたら、まずは周りの大人に相談してみましょう。怪しい企業の見極め方に関しては、こちらの記事（長期インターン怪しい）を読んでみてください。

長期インターンの給料トラブルを防ぐ方法

続いては、長期インターンの給料トラブルを回避するために覚えておきたいことをまとめました。

• ①求人サイトの給料欄を確認する
• ②雇用契約書を確認する
• ③怪しいと思ったらすぐに辞める

それぞれ解説します。

①求人サイトの給料欄を確認する

長期インターンに応募する際は、求人サイトの給料欄を必ず確認しましょう。

企業の中には、研修期間中と研修期間後で給料が異なるケースもあります。また成果報酬制（インセンティブ制）の報酬設定をしている場合は、成果条件も合わせて確認しておきましょう。営業職の場合は、1件のアポイント獲得あたりの報酬、1件の受注あたりの報酬が明記されていることを確認しましょう。

「完全歩合制」「完全成果報酬」「要相談」と書いてある求人には要注意です。給料トラブルに巻き込まれないように、求人サイトの給料欄は必ず確認しておきましょう。

②雇用契約書を確認する

求人サイトの給料欄と、雇用契約書の給料記載が違う可能性もあります。

時給制と書いてあったが、実際には日給制だった（時間割戻で時給が低かった）。成果報酬の条件設定が違う。出勤時間によって時給単価が変わる契約内容だったなど。入社前は雇用契約書をしっかりとチェックしましょう。

一般的には、給料欄と雇用契約書の給料記載が違う場合はありません。また給料に関する話は非常にシビアになるため、面接や入社前に責任者から必ずお話があります。

雇用契約書に書いてある給料が全てになりますので、トラブルに巻き込まれないように必ず確認しておきましょう。

③怪しいと思ったらすぐに辞める

給料や労働条件が怪しいと思ったら、信頼できる大人に相談するか、すぐに辞めましょう。

給与条件の悪い企業で働くメリットはありません。むしろ給料トラブルに巻き込まれたり、貴重な学生生活の時間を無駄にしてしまうことにも繋がってしまいます。

• 最低賃金額を割っている企業
• 日給制だけど、時間で割り戻したら最低賃金を割る企業
• 完全成果報酬で、成果を出すのが困難な企業

業務委託契約を理由に、学生の労働力を安い賃金で扱おうとする企業は要注意です。常識的な企業であれば、会社に貢献してくれる学生に対して、報酬を支払うことは当たり前です。

一部の非常識な企業は、やりがいや成長を理由に、安い賃金での契約を迫ってきます。給料面で不安がある、会社の評判が悪いと感じる企業で働くことは推奨しません。しっかりと見極めるようにしましょう。

長期インターンの給料の税金の取り扱い

続いては、長期インターンの給料の税金の取り扱いについてです。税金関連は、家族の扶養にも影響する内容になってきますので、事前に理解しておきましょう。

• 税金の取り扱いについて
• アルバイトを掛け持ちしている場合の計算方法

それぞれ解説します。

①税金の取り扱いについて

長期インターンをする際に年間103万円以上稼ぐと、親の扶養から外れて所得税の支払いが発生します。

親の扶養から外れると、親が支払う税金が増えてしまうため、家庭全体として損をしてしまう可能性が出てきます。長期インターンの給料は103万円の対象になるため、年間の給料次第では、所得税を引かれて損をしてしまう可能性もあります。103万円を超えない程度にコントロールしていきましょう。

②アルバイトを掛け持ちしている場合の計算方法

長期インターンとアルバイトを掛け持ちしている場合、受け取る給料の合計が年間の収入という扱いになります。

例えば、アルバイトで年間70万、長期インターンで40万の合計110万円稼いでしまった場合、前述の103万の対象となってしまいます。長期インターンとアルバイトと両立する場合は、双方の収入を併せて103万円以内にコントロールしましょう。

長期インターンの給料に関する疑問を解決

最後に、長期インターンの報酬に関するよくある質問に答えていきます。

• ①長期インターンの給料が出ないのは法律違反ですか？
• ②長期インターンの給料は手渡しでもらえますか？
• ③長期インターンの給料日はいつですか？
• ④長期インターンに交通費の支給はありますか？
• ⑤長期インターン生にも昇給はありますか？
• ⑥長期インターン生は社会保険に加入しますか？
• ⑦長期インターン生にも福利厚生はありますか？

それぞれ解説します。

①長期インターンに給料が出ないのは法律違反ですか？

長期インターンの給料が出ないのは、法律違反である可能性が高いです。

一般的には、労働基準法上の『労働者』としてみなされるかどうかによって、給料が発生するかしないかが義務付けられます。

労働基準法上の“労働者”とは、使用者の指揮命令下で労働し、その対価として報酬を受けている者を指します（労基法9条）。
なお、行政解釈では、①企業とインターン生との間に指揮命令関係があったか、②インターン生が携わった作業が企業に利益・効果をもたらしたかの2つの観点から労働者性の有無を判断するとしています（旧労働省平成9年9月18日基収636号）。

つまり、企業からの指示の上で既存社員と同様の実務（企業の利益をもたらす業務）を遂行する場合、法律上、労働者とみなされ給与が発生するということになります。

そのため、労働が発生する長期インターンは「有給」が原則。会社説明会やワークショップが多い短期インターンは「無給」であることが多くなります。

②長期インターンの給料は手渡しでもらえますか？

基本的には、手渡しで給料が貰える長期インターンはありません。

手渡しでも振り込みでも税金のルールは同じです。掛け持ちや途中で退職したアルバイトも、すべての給与を合計した額で判断されますので、確定申告が必要なことを覚えておきましょう。

③長期インターンの給料日はいつですか？

長期インターンの給料日は、会社によって異なります。

一般的には「月末締め翌月25日払い」であることが多く、月末までに働いた分の給料が翌月の25日に支払われます。 ただし、長期インターン先によっては10日や15日、20日などに設定するケースもあるでしょう。

④長期インターンに交通費の支給はありますか？

一般的に交通費は支給されますが、企業によって規定が異なります。

全額支給の企業もあれば、月間10,000円までなど、上限額を設けている企業もあります。学生の場合、入社時に大学の定期券区間を申請し、定期県外の交通費が支払われるのがほとんどです。

また営業職など、外出して仕事をする場合や、出張時にも交通費は支給が為されます。交通費の規定や内容に関しては、求人募集の『交通費欄』を見ておくと良いでしょう。

⑤長期インターン生にも昇給はありますか？

長期インターン生も、昇級の可能性があります。

昇給制度の内容は企業によって異なりますが、継続勤務時間による昇給よりも、長期インターン期間中の働きぶりや、貢献度、目標達成率、成果などによって評価されます。そのため、昇給額も会社によって変わってきます。

少数精鋭の企業や、社長直下の長期インターンだと、社長の一存で給料額が変わることもあります。会社の業績や習熟度によっても変わってくるため、目の前の仕事に全力を尽くすことを意識しましょう。

昇給タイミングや平均昇給額を知りたい人は、入社前に人事担当者や先輩社員に聞いてみるのもおすすめです。

⑥長期インターン生は社会保険に加入しますか？

長期インターン生は、基本的に社会保険には加入しません。

アルバイトの事例同様、保護者の扶養で社会保険に入れます。ただし年収が130万円を超える際には、社員同様に社会保険に入ることが法律によって義務付けられます（いわゆる130万円の壁が適用されます）

所得税の概念もアルバイト同様になるため、103万円規定が適用されます。

⑦長期インターン生にも福利厚生はありますか？

長期インターン生も、福利厚生を受けられます。

細かい規定や内容は企業によりますが、書籍補助が出たり、社内食堂が使えたり、社内マッサージが使えたりなど、福利厚生の一部を使えることはありました。福利厚生の範囲は社内規定により異なるため、どの企業でも受けられるとは限りません。

まとめ

本記事では、長期インターンの給料事情に加えて、給料相場や平均時給、給料トラブルに巻き込まれない方法をご紹介しました。

要点をまとめます。

• 長期インターンは給料がもらえる
• 長期インターンの平均時給は1,200円〜1,500円
• 長期インターンの給料トラブルは事前に防ごう

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参考文献